鮎との出会い
鮎との出会い
鮎釣りは夏の風物詩.吉野川を上流にさかのぼると,名人たちの
竿が遊ぶ.アユには釣り人ならずともファンが多い.優美な姿に
加えて独特の香りを持つため,香魚とも呼ばれている.塩焼きに
して頬張ると,口の中にすがすがしい清流の香りが広がる.
アユの稚魚は川で生まれた後,海に向かう.6cmほどに育つと
川に戻って遡上.その姿には上品な外観からは及ばない力強さが
あり,秋には産卵して一生を終える.年魚とも呼ばれるように,
わずか1年の命.それだけに,その生きざまや可憐な姿は日本人
の心を打つ.だから,アユとの出合いには「一期一会」のわびさび
を感じる.「鮎」は中国語でナマズを意味するので,片仮名の
「アユ」が清楚なイメージにふさわしい.魚体の大きさは月の数に
3をかけるとよい.アユ漁が解禁になる6月は18cm,7月は21cm
といった具合だ.
吉野川をはじめ那賀川,勝浦川にもアユが多い.徳島の河川が
いつまでも清く美しいのは,県民の一人として嬉しいものだ.
7月から「よしのがわ・リバー・キーパーズ」事業がスタート
する.川に関わるイベントに参加すると,パスポートにスタンプ
一個.川と触れあい親しんでほしい.梅雨明けとともに水辺の
アウトドアスポーツの季節が到来する.ふるさとの川で水遊びに
興じる真っ黒に日焼けした子供達.自然の恵みを感じて健やかに
育つよう,豊かな自然環境を守っていきたい.