食物サイクル
食物サイクル
私が今立っているのは、アフリカの大草原。以前は南ロ-デシア、
現在はジンバブエと呼ばれている国だ。人も動物も植物も、すべて
が大自然の中に溶けこみ、微妙なバランスが保たれている。植物は
昆虫に、昆虫は小動物に、小動物は大きな動物に食べられてしまう。
しかし、大動物が死んでもその命は大地となってよみがえり、再び
植物を育てるのに役立つ。この食物連鎖に、人間が関わっているの
はほんの少しだけである。
先日、徳島のホタルが絶滅の危機、というニュ-スがあった。
驚くとともに、子供の頃に見た幻影の情景が懐かしく思い出され、
何とも言えない気持ちに。さらに追い打ちをかけるように、
貝塚市で「トンボの池がピンチ」との報道。だれかが池に放った
数匹のアメリカザリガニがあっという間に増え、トンボの幼虫の
ヤゴが激減。水を浄化する「クロモ」まで食べ尽くされ、水も
濁ってきた。生態系はささいなことで壊れてしまう。
近年、問題となっている米国産のバスの激増。レジャ-の一つに
もなり、賛否両論があるのは理解できる。でも、キャッチアンド
リリ-スは、本当に命の大切さを教えているだろうか。食べられる
ことで役割を果たし、命の尊厳が伝わるのではなかろうか。
いちど、家族や友人と語りあってみよう。人間も動物の肉を
食べて毎日を生きているのだ。まず身の周りにあることから考
えて、徳島、日本、地球全体へと視点を広げていきたいもの
である。