風のベクトル

 新しい年2002年が到来した。皆さまはどのようにこの一ヵ月を過ごされただろうか?一年の中で最も寒い季節。身体が凍えてブルッとすることもある。低い気温の刺激は、皮膚から神経系へと伝わっていく。そのため
に、頭はスカッと、心はシャキッとなる人も多いだろう。

 以前に私は、すこし普通と違うところで、「初日の出」を迎えたことがある。そこから東を見ると、水平線のはるか向こうから太陽がチラッと顔を出す。その御来光は放射線状に放たれ、とても美しい。西に目を向けると、吉野川河口すべてがオレンジ色に輝いている。水面のさざ波がきらきらと光を反射し、大河にかかる橋まで金色だ。遠くには、緑豊かな眉山が静かに佇む。この情景をそのまま切り取ると、名画となるだろう。風は身を切るように冷たかったが、緊張感とともに、ホッとするような癒しの気持ちもわき上がってきたのを思いだす。

 さて、私がいた場所というのはヨットの上。徳島港を出発して鳴門海峡の方角に向かっていた。通常ヨットは夏の風物詩だが、冬でもヨットは進む。風がどの方向から吹いても、帆や進路を工夫することで、目標まで
達することができる。

 いま、日本のみならず世界の社会情勢は厳しい。私たちはいったいどこへいくのか。いろんな力を合わせて、そのベクトルが目指す方向を決めよう。そうすれば、多少の揺れがあっても、目標に向かって着実に進んでいけるものと思われる。

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