秋のコンサート
秋のコンサート
仲秋の名月のころ、「秋のしらべ」コンサートに足を
運んだ。全日本コンクール入賞歴を有する音楽家が出演。
リコーダーの庄野龍夫氏とギターの平岡範彦氏である。
二人は篠笛と三弦に持ち替え、和楽を奏でた。これに
尺八の山上明山氏が加わり、素晴らしいアンサンブルが
響きわたった。
今回の邦楽は、ちょっとお洒落な試み。日本古来の
音階に、時に現代風の和音も合わさる。その安堵感と
緊張感のバランスがいい。次第に幻想の世界に引き
込まれ、心に広がるイメージ。秋の夜、月がぽっかり
浮かび、風が吹き抜けていく。日本古来の花鳥風月の
趣と言えるだろうか。
日本人の特徴として、クラシックは右脳で聴き、
邦楽や言葉は左脳で聴くという。舞台の先生方は、
大脳のスイッチを切り替えて演奏しているのだろうか?
いや、おそらく左右の脳を活性化し統合させているの
だろう。今後は、東西を融合する方向に進んでいく
ような気がする。