狂言と想像力
狂言と想像力
舞台には農家の婿を演じる野村萬斎。婿の田はカラカラだが、
隣の舅の田には満々たる水。婿と舅の水争いが起こる。狂言
「水掛むこ」の一こまだ。大喧嘩で互いに水を掛けあう仕草。
実際には水を使わないが、観客にはびしょぬれの二人の姿が
目に浮かぶ。
自分の田だけ良ければ構わない自己中心者が描かれている。
そういえば、こんな自己虫が増殖中。親に寄生し家事や食事
など面倒なことはしてもらう。自分の給料は遊びに使うのが
当然のパラサイトシングルも増えている。
子供の頃から遊びといえばテレビゲーム。友達との会話も
ろくにない。想像力が働かずイメージを想い描けない。本を
読まずボキャ貧で、水掛け論さえできない。自分の気持が
わからず、ただムカツいて狂った言動へ。仮想現実の世界に
住む若者が、身も凍るような事件を引き起こす。勉強以外の
子供の教育は、私たち親の肩にかかっていると思いませんか?