梅の実

 春からだんだんに温かくなり、梅雨(つゆ)の季節になった。「天の恵み」により、大地は潤い作物は育つ。梅の木にも大きな実がつき収穫できる。

 梅という字は「木」と「毎」とから成りたつ。毎には、いつも、常に、定期的、継続、子孫、果実という意味がある。だから、梅とは、「毎年たくさんの実をつける木」のこと。また、梅の語源として、「ウ」はうむ、「メ」は実で、熟実「うむみ」の意とする説もある。

 さて、梅の実を手に入れたら、漬けて寝かせて置くと、美味しい梅酒のできあがり。さわやかな香りとさっぱりとした酸味が特徴だ。数カ月待つ愉しみも、またよいだろう。

 また、しその葉で塩漬けすると、梅干しが完成。梅干は古来から「三毒を断つ」と言い伝えられている。食べ物の毒、血の毒、水の毒の3つだ。お弁当に入れると、殺菌作用により腐敗を防ぐ。整腸作用により下痢にも効き目がある。

 梅干しのすっぱさは、主に、クエン酸などの有機酸が含まれているからだ。クエン酸は脳を刺激し、脳からの司令により、胃腸が活発に動き、食欲が増進してくる。体調を崩した時には、「おかゆと梅干し」を勧めたい。これからさらに暑くなり、夏が到来する。夏ばての予防にはぜひとも梅を活用してほしい。

 今回は梅について触れたが、次回は、木偏(きへん)を水編(さんずいへん)に変えて、「海」の話へと進みたいと思う。

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