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桜を愛でる

桜を愛でる

今年の冬は寒かった。南国の徳島でも,一面銀世界に
なったこともある。じっと春の到来を待っていた桜の木。
ようやくつぼみが開き燃え上がる。その一瞬に生命の
息吹が感じられる。
 サクラの語源には「咲く」とか「栄える」という意味が
ある。鎌倉時代には潔(いさぎよ)さという美意識が定着
した。元禄の頃には遊び心に満ちた華やかな花見。桜花の
もとで三味線を弾き,恋文を書いた。春の陽光を浴びて
咲き競う淡紅白の花びらは,まさに日本の文化,心の花だ。
 一方,夜の桜もまた良い。次のような俳句がある。
夕桜 あの家この家に 琴鳴りて
 愛(いと)おしい花と家族団欒の情景が目に浮かぶ。
桜の花言葉は良い教育,独立,象徴は謙譲,歓待という。
一度,花を愛(め)で,桜餅を味わい,古(いにしえ)
の音楽を聴きながら楽しんでみてはいかがだろうか?

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