大宇宙から

 木の緑が鮮やかな季節になった。
葉っぱの上でキラリと光る丸い水滴。豊かな自然に触れると、私たちの瑞々(みずみず)しい感性や身体まで活性化されるような気がする。

 さて、ヒトの身体は、そのほとんどが水分で成り立っている。人間が地球に登場できたのは、かつて生命が海から誕生し、進化してきたからだ。海の水は塩辛く、その塩分の濃度は、ヒトの血液や体液の濃度とほぼ同じなのである。

 それでは、これらの水や海は、一体どこから来たのだろうか。実は、大宇宙と深い関係があるのだ。とてつもなくずっと昔、何も存在しない無の世界に大爆発が起こった。ビッグ・バンによる宇宙の誕生である。最新の計測によれば約120億年前。その後、宇宙は光に近い速度で膨張し続け、約46億年前に太陽系や地球が形成された。

 ある時、多数の氷をまとった微惑星(彗星)が地球に衝突し、海を構成する水と生命の材料を提供したという。これが「地球外からの飛来説」である。

 このように、水が宇宙からやってきたという話には、夢やロマンが感じられる。しばしば小宇宙(ミクロコスモス)にたとえられるヒトの身体。さらに、人間の心には、大宇宙(マクロコスモス)よりもっと広がる想像力がある。近代の作曲家バルトークは、ピアノ曲集「ミクロコスモス」153曲をこの世に残した。一度、この音楽を聴きながら、宇宙に想いを馳せてみてはいかがだろうか?

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