◆ 効果的な運動による減量

Q & A
効果的に体重を落とすために、食事療法との関係で運動療法はどのタイミングで行うのが理想ですか?

 運動による減量は、1-2カ月という短期ではなく、長期にわたる効果が重要。有酸素運動を推奨し、患者の生活プロフィールに応じた運動処方やアドバイスを出したい。
 単純性肥満では、運動習慣の継続がポイント。食前や食後など、適切な時間帯は特にないが、脂肪の燃焼には多めの水分が必要と説明する。早朝に散歩する前には、必ずコップ一杯の水を飲む。昼間に移動する場合、バスや電車などひとつ手前で降りて歩くなど工夫する。夕食後に散歩を取り入れる人が多いが、食後1-2時間して大股で歩くとよい。注意点には、適切なシューズや、極端な寒冷や酷暑時を避けることなどがある。
 1型糖尿病における運動の有効性は明確ではないが、低血糖の防止のため、運動は食後1-3時間後に行う。運動量が大きい場合には運動前のインスリンを減量し、運動前・中・後に適宜補食させる。運動中の低血糖には、直ちにジュースを与える。
 2型糖尿病では、低下しているインスリン感受性が運動によって改善し、理にかなった治療である。食後1-2時間に血糖が一番高くなるので、この時間帯の運動がよい。筆者が診ている糖尿病患者のSMBGのデータから、血糖は運動により通常30-60mg/dlほど下降している。食事療法のみの患者では、低血糖の危険性がないので食前でもよい。インスリン治療例では、運動前の単位数を2/3から3/4にまで減量する。
 また、1)食事や運動、仕事、体重など生活日記をつけさせ、それに基づいたオーダーメイドの案を患者と一緒に考える、
2)多忙で特別の運動を実施する時間がない場合には、エレベーターのかわりに階段を使うなど、daily physical activityを活発化させるスケジュールを作成する、3)フォローアップとして、運動療法継続の意志を強化させるため、体重や体脂肪率などの数値の改善を示す、などを参考とされたい。

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