シナモンはお洒落な元気の素

 吉野川上流の三加茂町には、巨木「加茂の大クス」がある。国指定の特別天然記念物であり、樹齢は1000年以上。根元の周囲は20m、樹高は25m、大空に広がる枝ぶりは東西50m、南北45mにも及ぶ。たった1本で鎮守の森を思わせるこの楠は、日本一とも言われる。傍らに立つと老樹の威厳と穏やかさを感じる。心と体を優しく包み込んで癒してくれるようだ。

 クスノキの学名はCinnamomumcamphora。シナモン(肉桂・ニッケ・ニッキ)は昔から食品や香辛料に用いられ、ニッキ飴や八ツ橋、カレー、ソースなどに使われている。最近流行しているのがシナモンロール。シナモンのトーストやガム、シロップなどもお洒落で人気がある。

 歌手のさだまさしさんの曲「パンプキン・パイとシナモン・ティー」の一節には「シナモンの枝で恋しい人の名を書けば…」と。実際には、枝ではなく皮だ。樹皮をはがして丸めたものがシナモンスティック。いずれにせよ、小枝の方が可愛いですね。

 漢方の世界では、肉桂は桂枝と呼ばれ、桂枝○○湯(丸)など薬として重宝されてきた。効用は「気の巡り」の活性化。その香りは広く知られている。防虫剤としてタンスに入れたあの樟脳(camphor)の懐かしい香りなのだ。今でも強壮薬、鎮痛薬、健胃剤として活躍している。

 いちど、常緑広葉樹である大クスを訪ねてみませんか。究極のカンフル剤として森のエキスで「血の巡り」も良くなり、きっと元気溌溂となることでしょう。

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