オリジナル
オリジナル
先日、文化の森の21世紀館で私は役者を演じ、拍手喝采を
浴びた。俳優になったわけではない。演劇ワークショップに
参加したのである。ニールサイモン作の父親役を、私は端正な
語りとかっこよい仕草で演じたところ、「阿波弁のひょうきんな
演技で個性的」とのコメントを頂いた。
的確な指導をするのは、脚本・演出家の内藤順子先生。東京で
演劇活動を行い、徳島の劇団[WITH]で子供達に歌と踊りを教え
ている。このたび、子供の個性に合わせたオリジナル作品
「21世紀へのマーチ」が、全国ミュージカルコンクールで
ベスト3に選出された。大人の劇団ばかりの中で、まさに快挙!
4月には3劇団が宝塚市で入賞記念公演を行う。ストーリーは
子供達がお互いに友人を思いやり成長していく物語。私は実際に
公演を観たが、生き生きとした彼らの表情が印象的だった。
さて、20世紀の日本を振り替えると、経済性が重視され個人
よりも組織が優先された。今や21世紀。人々の関心は、社会の
発展や成長から個人の健康・娯楽などに移った。しかし、個人
主義がはき違えられ勝手主義がまかり通っている。
このままでは日本の将来が不安だ。今後、若者に求められる
ものは、知能指数(IQ)よりもむしろ感情指数(EQ)。基本的ルールや
マナーを遵守し個を尊重しあう土俵の上で、21世紀へのオリジ
ナルの技を追求していって欲しい、などとステージでタップダンス
を踊る子供達を見ながら考えていた。