◆ お酒と友だち

 忘年会や新年会のシーズン。職場における潤滑油としてお酒は大活躍です。仕事が終わってひっかける一杯のお酒や、風呂上がりの一杯のビール。これらのアルコールの味は、また格別です。緊張した心と体をほぐし、ストレスを取り除いてくれます。

 さて,アルコールは体の中に入ると、どのようになるのでしょうか。口から飲まれたアルコールは、まず胃腸から吸収されて、血液に入り、肝臓に行きます。酵素で分解されてアセトアルデヒドと酢酸になり、二酸化炭素と水になります。飲んでから60-90分ほどでピークに達して,皆さんの大脳は影響を受けるのです。その影響を5つの段階でお話してみましょう。

 第1期は、
アルコール濃度が0.05-0.1%です。空腹でお酒を1合、またはビール大1本ほどを飲んだ量です。理性を司る日頃欲望にブレーキをかけている大脳の深皮質が部分的に麻痺して、不安や緊張感がとれて陽気になります。0.05%は酒気帯びになり,車を運転している時に,ブレーキを踏む反応時間は,60%にまで落ちます。
 第2期は、
0.1-0.15%であり、短時間に2合を飲んだ量です。さらにほがらかになり、脈拍は増えて、呼吸も増えて、気持ちがよいです。上手な飲み方はここまでです。ほろよいの始まったこのあたりでアルコールをやめると、ちょうどよいのです
 第3期は、
0.15-0.5%で,麻酔作用のために運動機能が落ちます。千鳥足となり、呂律が回らなくなり、物が二重に見えたりします。泣き上戸、怒り上戸など,人に絡んで迷惑なのはこの時期です。
 第4期は、
0.25-0.35%で,足をとられたり、顔面蒼白となります。さらに、第5期は0.35-0.5%ですが、昏睡に陥ったり、呼吸が止まったりして、命に関わってきます。アルコールの量が少なくても、「一気のみ」をすると、このレベルまで達することがあるので、注意が必要です。
 調子にのって、夜遅くまで梯子酒。翌朝には、頭が痛い、気分が滅入る、胸はむかむか、足がふらつく、などの症状が出てきます。「どうして、二日酔いになるまで飲んでしまったのだろう」、としきりに後悔。

 さてどうして、二日酔いが起こるのでしょうか。その原因は、蓄積したアセトアルデヒドや乳酸が、悪さをしているのです。また、アルコールによる利尿作用の働きで、全身の内臓が脱水状態になっています。脱水によってエネルギーが消耗され、血の中の糖分やビタミンB1なども不足します。これらの影響で、二日酔いが起こるのです。頭痛は、脳の脱水のためとされています。 二日酔いを治す方法をアドバイスします。脱水を治すために、スポーツドリンクがお薦めです。これは体液の組成に近く、吸収が速いので、合理的な飲み物と言え
ます。また、味噌汁は、蛋白があり、水、ミネラルなどの補給にも役立ちます。人によっては、「迎え酒がよい」と言う人もいます。実際に効果があるようですが、これは、脳を一時的に麻痺させて症状を隠している
だけなのです。お酒で治す方法を続けると、脳が次第に麻痺し、飲み続けるとアルコール依存症の第一歩となってしまいます。 アルコールを飲むのは,ころ合いがよいのです。適量の飲酒は、心筋梗塞などを予防し、飲まない人よりも寿命が延びるという調査結果もあります。これは、いろんなストレスをうまく解消してくれるから、心臓だけでなく「心」にも良いのです。

 健康を増進するには、1日1合ほどが良く、この場合は休肝日は不要とされています。女性では、この半分ほどがめどと考えてよいでしょう。1日に2合飲む場合は、1週間に2度ほど休肝日がほしいですね。
 アルコールを上手に生活の中に取り入れて、健康を増進するように、酒を飲みましょう。量を少なく、楽しい雰囲気で早めに切り上げるのが、末永くお酒を楽しむこつです。

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